ルイまる子

パスト ライブス/再会のルイまる子のレビュー・感想・評価

パスト ライブス/再会(2023年製作の映画)
4.0
いい映画だった。流石韓国。なんて繊細なんだろう。カメラもいい、2人で立つ姿や目線や、バーで三人が並んで座る姿も。台詞もとてもいい。

しかし今作は白人社会に家族で移民し(成功した)ニューヨーク住みの女性と幼馴染の韓国男性の物語だ。過去の淡い恋と再会がテーマだけど、むしろ海外に住むアジア人の心を描いた作品と見た。

ノラ役のグレタ・リーさんは目つきがキツすぎてなんかあまり、綺麗じゃないかも、と最初思ったがアメリカで積極的に生きている女性だ、あれくらいの顔でちょうどいいかも。

ヘソンと24年ぶりに会う時、恋愛みたいになるのが嫌で、ベージュのシャツとブカブカのパンツで現れるノラの気持ち良くわかる。そして二日目は正直に黒の女っぽいワンピースを着るのもいいね!

【ネタバレあり】
祖国を小学生で離れ北米で暮らすアジア人女性が、自分の内側に棲む、切り取る事の出来ない大事にしまった祖国、「韓国」への想いを30代半ばに初めて(別れを告げる)折り合いをつける事が出来た物語と見た。

初恋の人=身体の奥底でいつも懐かしく、帰りたく、誰にも汚されたくない聖域だ。彼女にとって大事な故国を代表する人なんだな(イケメン、軍隊に行った男らしさ、真っ直ぐで純粋これこそ韓国という男性だ)。

三人でバーで並び、韓国の彼が、「君の夫がいい人で苦しい」とか、平気で旦那さんが居るのに気持ちをありのまま正直に言うところが好き。また、彼女が席を立ち二人になった時、拙い英語だが、「二人だけで韓国語で喋ってごめんなさい」に対して「No, you should be」か、当然だよ、そうするべきだ。という会話もいい。

イニョン
だったかな。因縁か縁だよね。8000層の縁により、すれ違う相手と触れ合う袖。しかし、結婚までには至らなかった二人。来世では、どういう出会いになるんだろうか。
ルイまる子

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