butasu

イット・カムズ・アット・ナイトのbutasuのレビュー・感想・評価

2.0
何かが起こりそうで結局何も起こらないまま、終盤に胸糞悪く話が展開して終わってしまった。期待外れだったなぁ。

冒頭のシーンはショッキングであり、見せ方も上手く「これは面白そうな映画だぞ」とワクワクした。ただその後も一向にこの冒頭のシーンを超えて来ないまま映画は幕を閉じてしまう。不穏な雰囲気だけは抜群なのだが、いかんせん本当に何も起こらないのでさすがに飽きる。しかも彼らが恐れているのは"病気の感染"なので、ホラーとしても盛り上がらない。その分主人公の少年が悪夢を見るという演出でホラー感を醸し出してはいるが、いくら夢でびっくりさせようが本筋と関係ないからなぁ。

追い詰められた人間の疑心暗鬼からくる狂気を描く話は割とありがちだし、急にあそこまで暴走されると感情移入もできない。つじつまが合わないことや説明がないことやリアリティがなさすぎることが多いが、"文学的"や"解釈に委ねる"といった言葉で済まされそうな雰囲気。それっぽい絵画を映す演出とか、露骨すぎて寒々しい。「さぁ謎めいた伏線をたくさん放置しておいたので皆さんご自由に解釈してください」という丸投げスタンスは嫌いです。

などと思っていたら、どうやら公式サイトに"シークレット"として詳細なネタバレ解説を載せちゃっているらしい。前述の夢のシーンが実は重要なんだってさ。個人的にはこういう解説って公式にやると映画を台無しにすると思うのだが、あまりに理解されなさすぎてここまでする必要があったということなのかなぁ。映画を観て直接感じとれなかったら何の意味もないと思う。

ラストの展開にはただただドン引きだった。胸糞悪すぎる。
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