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火花のlaszloのレビュー・感想・評価

火花(2017年製作の映画)
3.0
2019年 監督 板尾創路
WOWOW録画鑑賞

売れない先輩芸人を師匠と仰ぐ売れない芸人の話
先輩芸人の独自の感性を持った笑いに引き込まれ影響されて行くがちょっとしたブームに乗るだけで中々売れない
そして売れない期間が芸人たちの気持ちを蝕んでいく 若手の芸人に追い抜かれ 先輩は彼女に捨てられ コンビは解散してサラリーマンになり 先輩との連絡も途絶える
突然の連絡で久々に会った先輩の笑いは相変わらず独特だけど自分自身にアッと驚く小細工をしていた
後輩に激しく否定されながら二人は出会いの地である熱海に花火を観に行く
トップに駆け上がった芸人たちのためにも自分たちの存在は無くてはならかったと語る先輩
桐谷健太が良い演技をしてました
現実にも多くの芸人が忘れられまたは知られることもなく消えていったのでしょう
最後に流れる“浅草キッド“が切なかった

芸人“又吉直樹“による芥川賞受賞作品の映画化です
折からのお笑いブームに乗って累計発行部数は250万部を超える大ヒットとなりました
その年W受賞した“羽田圭介“も明治高校在学中に文芸賞を取った注目作家でした 芥川賞受賞までだいぶ期間が空きましたが学生がそのまま大人になったようなキャラが受けてテレビにも数多く呼ばれ出版業界が久々に活気付いた時期でもありました

片岡鶴太郎が芸人からマルチタレントに軸足を移した時は他の芸人から総スカンを喰ったと言います
今では情報番組やクイズ番組の司会 ドラマや映画のキープレイヤー 本作もそうですが映画監督 芸術家など もちろん人によりますが各方面でそのマルチな才能を遺憾なく発揮しています 演技の上手さ礼儀正しさや機転の効かせ方などはその辺のタレントやプロスポーツ選手などを大いに上回っていると思う時もあります
昔はどうせお笑いと甘く見ていましたが今では日本のエンターテイメント業界はお笑い芸人が居ないと成り立たないのではないでしょうか
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