laszlo

キラーズ・オブ・ザ・フラワームーンのlaszloのレビュー・感想・評価

4.0
2023年 アメリカ
監督 マーチンスコセッシ
脚本 マーチンスコセッシ エリックロスト

追いやられた先の居留地で発見された石油の権利を得て莫大な財産を得たインディアンの一部族オーセージ
利権を巡って白人たちが群がり法律を変えて徐々に彼らの財産を奪いつつそれだけでは飽き足らず大量殺人を犯していきます
汚職にまみれた地元の警察だけでは解決が出来ずオーセージ族が中央政府に告発してFBI誕生のキッカケになった事件とのことです

オーセージ族の信頼を集めながら裏ではオーセージ族を食い物にする地元の実業家ヘイルを演じるデニーロは歳を重ねても安定の存在感を感じさせます
私生活ではつい最近アルパチーノともども若い女性を孕ませたなんて話題で世間を騒がせましたが公私共にバリバリの現役で頑張ってるようです

デカプリオは2枚目俳優から脱却して難しい役に挑みました
元々は白人目線でのストーリー仕立てで中央政府から派遣された敏腕捜査官の役でオファーされたようですが台本を読んだ本人自らダメ男のアーネスト役を希望したようです

他にもアーネストの妻モリーは実際のオーセージ族の末裔が演じるなど意欲的なキャスティングがされてます

アメリカでは過去の黒人差別や男女差別に正面から向き合って人種や性別によって差別されない平等な社会を実現しようとする動きがやっと本格化してきました
その流れが漸くインディアン差別にまで及んで来たのでしょうか?
しかし本作もスタートは白人が監督する白人目線の映画を作ろうと始まっています

今では黒人が監督して黒人が主演そして黒人差別を糾弾する映画などは当たり前のように作られています
同じようなことがインディアンの世界でも実現するのはまだまだ先のことでしょうか?

上映時間は長いですが長さを感じさせない内容で面白かったです
是非ご覧になってみてください
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