完璧なフレーミングで撮られる86歳のお婆ちゃんの昔話、田村正穀映画と写真のカメラの区別がつかず遺影の撮影のつもりで用意した紫色の座布団と松の木、画面下端のマイクをまるきり無視した縦横に動く語り、背後の障子は風に揺れガラスに映る木々も風に揺れる、集会の場面では部屋の四方の壁を埋める村人たちをパンして捉え続ける長回し、序盤に登場した儀式を模したような回転、名前の書かれた箱と村人の名前のテロップ、村人の発言と小川紳助のボイスオーヴァーは部落内の団結を画面外に波及させるためか、地面を這う蛇の運動の長めのショット、機動隊の縦列を捉えたロングショット、響き渡るドラム缶の打音と集結を呼びかける放送と田圃からやって来る部落民たちを捉えた時代劇的なロングショット、稲をざわめかせる暑い風、保釈後に黙々と煙草をふかし続ける童顔の青年のクロースアップ、念佛講、怒りをぶつけるラストのテロップ。
