tsuyocinema

ハウス・ジャック・ビルトのtsuyocinemaのレビュー・感想・評価

ハウス・ジャック・ビルト(2018年製作の映画)
-

【ハウス・ジャック・ビルド】
鬼才ラース・フォン・トリアーによる理性的で狂ったシリアルキラーの葛藤と欲望をエグめの描写こみで描いたサイコスリラー。
1970年代、建築家を夢見る独身の技師ジャックは、ある出来事をきっかけに、アートを創作するかのように殺人を繰り返す。そんな彼の「ジャックの家」を建てるまでの12年間の軌跡を、5つのエピソードを通して描き出す…


殺人鬼を扱ったブラックコメディーで嫌いな人は本当に嫌いになる好き嫌いが分かれる作品。
ストーリーに対しての章立て、映像手法サンプリングやコラージュなど、演出、BGM、編集がイイ意味で合ってないのがコメディー。
シリアルキラーだろうが好き勝手やってて清々しい。
そんな突き抜け方なので死体の扱い、殺し方、対象に対して悪趣味感を感じて胸糞悪くなる時があるが、映画内の色の配置と均整が実に美しさに惚れ惚れしちゃうし、不謹慎笑いもしまくっちゃう。

ラース・フォン・トリアーって重厚なテーマや、ふざけて描かない方が無難な対象で映画を撮る場合も、本作内にもある「芸術こそ神!」のセリフの通り好き勝手撮る人なので、そのラース・ファン・トリアーっぷりが発揮された怪作ではないだろうか?







以下ネタバレ気味なメモ

・1章に殺害した被害者のジャックに共感できるムカつく感
・殺人についての独特の比喩「素材」
2人目の被害者殺してからのドーナツは?の何これ?感
・強迫性障害で潔癖でサイコパスで死体写真を撮るのが趣味の殺人鬼ミスター洗練w
・殺害後に事件現場に戻るのが、「台所のコンロの火を消し忘れたかも」みたいで何処か滑稽
・2章目の遺体の移動の仕方!そして遺体が不憫!からの偉大な雨!

・3章目は子供いるとほんと胸糞悪くなる
・アヒルちゃんへの行為はマジでアカン!
・4章目のある変化を察知したギャルの絶望感。あれが想像すると1番怖いかも。

・5勝目の冷蔵庫こそ生きた心地しないというやつ
・最期のあのマグマみたいな描写何だよw
tsuyocinema

tsuyocinema