すずき

オールド・ボーイのすずきのレビュー・感想・評価

オールド・ボーイ(2003年製作の映画)
3.9
平凡ダメオヤジのオ・デスは、ある日何者かに拉致され、娯楽はテレビのみの一室に監禁される。
TVニュースから、妻は殺され、そして自分は容疑者として捜索されている事を知る。幼い愛娘の安否は不明だった。
そして15年…
突然開放されたデスは、何故監禁されたのか、誰が監禁したのかを突き止め、復讐するために動き始める。
監禁中は壁相手に格闘訓練していたので、腕っ節も十分。
そんな中、一風変わった寿司職人の娘・ミドと出会う。
事情を知った彼女は、デスに協力し、そして惹かれ合っていく…

日本の原作マンガを韓国が映画化!
だけどシナリオはかなり改変されてるみたいで、実に韓国映画らしいエグ~いお話になっております。
あとバイオレンス描写も、直接的な描写は無いけど、これまたエグい。

ストーリーの運び方も、ダレず飽きさせず上手いけど、それよりも構図が上手いなあと思いました。
アクション好きの私は、本編屈指のバトル、廊下での一対多の格闘シーンの構図が印象深い。
デスはスゲー強いんだけど、無敵のヒーローじゃなくて、後ろから殴られれば当然倒れる、ダメージも普通に負う。でも不屈の根性で負けず戦い続ける、泥臭いバトル!
そして、その一連のバトルシーンは、真横からの構図の長回しで撮られてるのだ!

面白かったけれど、オチは人を選ぶ。
用意周到な計画、というか回りくどい計画というか、「そう上手く事が運ぶか!」と突っ込みを入れたくなる、「ありえねー!」なオチ。推理ミステリーなら反則くさい力技も。
でもこのピタゴラスイッチみたいな複雑な計画、犯人が考えて実行し、そしてそれが、上手く行き過ぎるぐらい上手くいくのはさぞかし楽しかったろうな。実際楽しそうだったし。
そして、前述したように、エグ~い鬱展開なので苦手な人は注意だ。
あまり万人にはオススメ出来ない秀作映画です。