勿体つけた演出にイラつくも収束はまずまず
AV女優達3名とその家族の悲哀を描いた複数軸交錯の群像劇。
序盤はその交錯のさせ方が人物相関や時間軸を故意に視聴者に悟らせないようなはぐらかしに見えてだんだんイライラしてくる。論理的というよりは不可解なカンピューター的。
まぁこの監督作品はそういったもやもやイライラはつきものなのでこちらもひたすら忍耐。
終盤に入ってようやくどこかに収束するらしい気配は漂ってくるが、それが明確化するのはエンド間際。それも二家族だけであり、その家族と直接関係のなかった独身AV嬢のみまた別の収束を匂わせ映画は終わる。
二家族に関してはその場におけるエピソード的にはある種の謎解きもなされ、微妙な安堵感は感じられた。しかし映画内においては重大な問題含みで混迷の度合いはもっとひどくなりそうな余韻。
匂わせで終わった独身AV嬢はあの流れ的に家族との寛解となりそうな雰囲気。
よって視聴感という点では全面的ではないにしても本当に微かなブライトエンド(って言い方あるか知らないけれど、ハッピーエンドでは全然違うので微妙に明るいという意味で)。
とはいえ普通に良いという評価を下すには抵抗が大きい。それだけこの監督に対しネガティブイメージが強固になっているということなのだろう。
2.5の二つ星という感じ
002101