このレビューはネタバレを含みます
美しい人魚の2人が陸に上がり、ナイトクラブでスターになる。
人魚の1人がベーシストの青年と恋に落ち、そこから人魚同士の関係に歪みが入ってゆく。
後半で気がついたけれどこれはまさに人魚姫の実写化!
そして唐突に気づくけどミュージカルだった。こんな暗くて血生臭いミュージカル初めて。
脚に水をかけると人魚に戻る、それはなんか分かる気がする。
魚になった下半身がぬるぬるでグロテスクで気持ち悪かった。映画の中であらゆる人が魚臭い魚臭い言っていたけど、本当にその臭いが感じられそうなくらいのヌメヌメ感。
切り替えが謎だったり意味不明なシーンが多々あった。
後半の、ベーシスト、マダム、その旦那?がグッタリしていて、死んでるのかと思ったら点滴みたいなのを注入されてるシーンは何だったんだろう。
ツノを無くしたボロボロのおじさんは、悪魔でありトリトン?なのか??
ベーシストと恋に落ちる人魚(シルバー)が手術をして脚を手に入れるシーンは、胴体から下半をチェーンソーで切り離して人間の脚をくっつけてハイ終わり、ってそんな単純なのか…?
そして隣に横たわっていた、下半身提供者の女性は誰…
このシーンはちょっとしたホラー。。
シルバーは脚を手に入れたらベーシストと結ばれると思ったけれど、その結果ベーシストがますますシルバーが普通の人間ではないと思い知る結果になり、そこで現れた音楽関係の女性と恋に落ちて結婚してしまう…までのスピード感たるや。
これまでの人生、人魚姫のおとぎ話とかで「海の泡になって消える」という表現は何度も読んできたけど、実際どんな映像なんだろうと思ってた。
こんな感じなんだ。ほんと、まんま「泡」!
この映画、最後の10分間がいいなあ。
愛する人を殺せば自分は助かるという葛藤、
だけど愛する人の腕の中で消えることを選んだ時の一筋の涙と優しい表情、
朝日を浴びて目を閉じる人魚。切ない。
ひとりになってしまったもう1人の人魚ゴールデンのその後が気になってしまう。
本当、人魚がテーマの作品って血生臭くて仄暗くて、ハッピーエンドが無いなあ。