水中万華鏡

ゆれる人魚の水中万華鏡のレビュー・感想・評価

ゆれる人魚(2015年製作の映画)
3.3
1月31日 シネアーツFilmarks試写会にて

80年代風のチープで気怠く官能的な色彩の中で、不完全の美しさと脆さ、中毒感に飲まれていく映画
映画というより、芸術 の方がしっくりくるかな
意外にもミュージカル調で進行するので、最初は想像と違うぞ?と思うんですが、水の中に引きずり込まれる様に、その世界観にだんだんと心囚われます。
少しダサいダンスにファッション、煙たい煙草、欲の掃き溜めみたいなナイトクラブと癖の強い音楽、、
そこに「幻」が加わった時、それは単なる80年代の再生にはとどまりません。

身を滅ぼす「はじめて」の甘さ
無垢だからこその官能美
不完全のみが持ち得るエロスの鮮烈

お酒を片手に、理想通りの人魚の歌声に酔いながらもう一度堪能したい世界。
水中万華鏡

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