前に観たコップカーといい、このナンシーといい、今回はいずれもイメージが違ったものでした。
例によって余計な前評判や予備知識を入れずに観るのですが、ジャケットから一定のイメージを起想するのは避けられません。
まぁそうしたイメージさえ無いなら観る作品を選ぶことも出来ない訳ですが。
てっきり本作は成り済ましのサイコサスペンスと思って観たのですが、全然違うものでした。
最初から最後まで哀調を帯びた冬景色の中で淡々と物語が描かれます。
実はどっちなんだ？この手のパターンなら通常はこっちだが、もしかしてどんでん返しもあるか？、なんて思って観てましたが(そこら辺も割と上手に撮られてると思います)。
ラストは…なかなかに余韻を残しますが、なまじ悪党じゃないだけに…って感じで。もう少し救いが欲しかったかな。いや、これが十分な救済なんだって見方も勿論あるのでしょうが。
とにかくホラーやサスペンスではないし、ミステリーってジャンル分けにも疑問がある、敢えて言えばヒューマンドラマですね。
