ユースケ

アトミック・ブロンドのユースケのネタバレレビュー・内容・結末

アトミック・ブロンド(2017年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

ネオンに染まる下着姿のシャーリーズ・セロン、スタイリッシュな格闘戦と銃撃戦、そして、Queenの【Killer Queen】。

イカした予告編と【ジョン・ウィック】で共同監督を務めたデヴィッド・リーチの監督作品という事で女性版【ジョン・ウィック】みたいなボンクラ向けアクションを期待していたら、スパイの時代の終わりを告げるベルリンの壁の崩壊直前のドイツを舞台に、最後の一花を咲かせようと暗躍するスパイたちの姿を描いた硬派なスパイ・ミステリーだったので、終始コレジャナイ感にさいなまれたままの鑑賞になってしまった一本。

確かに、ワンカット風の長回しで撮影された格闘戦からのカーチェイスをはじめ、ハイヒール攻撃からの【ボーン・アルティメイタム】を思わせるギリギリシートベルト、ホースバンジージャンプからの上野クリニック格闘、アンドレイ・タルコフスキーの【ストーカー】をバックにしたシルエット格闘など、ボコボコになれながらも執拗な急所攻撃とありものを使った凶器攻撃で男をぶちのめすシャーリーズ・セロンは最高だったし、1980年代と1990年代の狭間を象徴した80'sの選曲も最高だったのですが、作戦報告からはじまるブライアン・シンガー監督の【ユージュアル・サスペクツ】風の構成も、してやったり感を出すためにジェームズ・マカヴォイの悪事をバンバン見せる構成も、微妙で話に乗り切れず、Queen&David Bowieの【Under Pressure】が流れるしてやったりなラストシーンに爽快感を感じる事はできませんでした。

とりあえず、ソフィア・ブテラとのレズシーンや氷風呂への入浴シーンでシャーリーズ・セロンの裸体を拝めるので元は取れると思いますし、きっと繰り返し鑑賞すれば楽しめる作品だと思います。多分ね。