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アトミック・ブロンドのkouのレビュー・感想・評価

アトミック・ブロンド(2017年製作の映画)
4.5
《リアルなヒロインアクション》
現時点でのアクション映画の最高峰ではないか、新たなる潮流であり、新しいアクションのジャンルを切り開いたのではないかと思わせる一作だった。兎にも角にもシャーリーズ・セロンの美しさ、強さに魅せられる一作であり、楽曲を含め一貫したイメージが好みだった。

今作の女スパイ、ロレーン・ブロートンを演じたシャーリーズ・セロンは徹底的にアクションの為に肉体づくりをし、今作の死闘ともいえるアクションを演じきっている。体格差の違う男達を相手に、あらゆる周辺の武器を使って、そして急所を狙って、身のこなしと徹底的な相手を倒す動きで戦っていく姿は、男女問わず虜にされるだろう。本当にかっこよく、そして美しいのだ。モンスターでも、マッドマックスでもそうであったが、素晴らしい女優だと改めて感じた。

また、終盤ロレーンがビルに入ってからの戦闘シーンは、7分間のワンカットに仕上げている。この流れるような、登場人物の体力と息切れの様子、そして心拍数のガンガンにあがる臨場感は今年の映画の中でも素晴らしいシーンの1つなのではないか。これはすごいなと観ていて圧倒される感覚があった。

舞台は89年のベルリンの壁崩壊前のベルリンであり、スパイが暗躍している時代。お互いに騙し合い裏切り合い、真相がどこにあるのか、自分が立っている現実すらくらくらしてくるようなストーリー。そこもまた良く、映画に引き込まれた。

また、音楽も最高。Blue Monday、Sweet Dreams、99 Luftballons、Killer Queen…最高の曲と映像がシンクロしていた。俳優たちの顔つきもよく、映画全体の統一感も素晴らしい。現段階でのアクション映画の到達点だと思う。本当に素晴らしかった。
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