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アトミック・ブロンドのbopapaのレビュー・感想・評価

アトミック・ブロンド(2017年製作の映画)
3.5
2018年 82本目

東西ドイツの壁が崩れる数日前に起こった、スパイリストを巡るお話。サッチェルと呼ばれる二重スパイは果たして誰だ?というミステリーの部分もしっかりあってなかなか見応えのある映画でした。しかしシャーリーズ・セロン美しいし鍛えてるし、凄いなこの人。


時代が1989年の話なので、ジョージマイケルにデペッシュモードにクラッシュにスージーアンドバンジーズと、懐かしい音楽が他にも色々。それだけでもオッさん世代は楽しめるかも〜。

そして、映画中盤に繰り広げられる10分近くのワンカット長回しの物凄い格闘シーン、ホントにビックリします。なんちゅう撮り方するんだこの監督!と調べたら「ジョン・ウィック」や「デッドプール2」の監督だそうで。これは「デッドプール2」も俄然楽しみになってきた。

デ・パルマ監督の「スネークアイズ」の冒頭や、三谷幸喜監督の「大空港」や、イニャリトゥ監督の「バードマン」など、趣向を凝らした長回しは他にもたくさんあるでしょうが、ビルの上階から降りていきながら闘い続けてそのまま車に乗り込んでカーチェイスまで全てワンカット(に見える。実際は繋げてるのかも知れないですが全くわかんない!)で展開されるシーンは、それだけでも観る価値有り!と思います。

階段降りながら闘ってそれがめちゃくちゃカッコ良いってなるとドニー・イェン主演の「イップマン継承」も無茶苦茶カッコ良いので機会があれば皆さん是非そちらも。

そして、敏腕スパイ役にはジェームズ・マカヴォイさん。この人X-MENでのプロフェッサー役のお陰でだいぶ良い人役も見慣れてきましたが、基本的にはクズ中のクズを演じさせたら天下一品だと思ってるので(「フィルス」とか「トランス」でのクズっぷりはお見事)、今作でも良い感じにクズ感を発揮しておりました。

このクズなのに知略に長けた敏腕スパイの存在が、映画のストーリーを複雑にしており、観終わった後に「あ〜、あの台詞ってこういう意味なのね!」みたいなのが沢山出てきて、2度美味しい映画でした。
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