改名した三島こねこ

アトミック・ブロンドの改名した三島こねこのレビュー・感想・評価

アトミック・ブロンド(2017年製作の映画)
3.8
MI6vsKGBvsCIA

三者三様の思惑というのはスパイ映画でよく用いられる表現だ。しかしながら広告通りに三者三様の思惑が錯綜している作品というのはそう多くない。『インファイナルアフェア』や『裏切りのサーカス』といった作品群がその中でも傑作と言われるものだろう。そして本作もそういった作品のうちのひとつではあるまいか。

ブロートンの思惑というのは作中で明確に描写されているようだが、彼女の行動のひとつひとつがその裏側にある謀略を暗示しているように思えてならない。主人公の主義すらつかめないせいで、本気で視聴しなければ置いてけぼりをくらうが、しかししっかりと視聴したのなら多様な解釈が可能なこの物語に私たちは圧倒されるだろう。