キナ

KUSOのキナのレビュー・感想・評価

KUSO(2017年製作の映画)
3.9
「考えるな、感じろ」系の映画。下品で気持ち悪いものは好きなので割と楽しめた。

小さなストーリーが細々と並べられていて、全然意味分からないんだけどそのぶっ飛んだ発想が素直に凄いなと思う。
コントのような展開も多く、クスクス笑えた。
終盤の黒人カップルの風変わり過ぎる絶頂が好き。
病院での受付〜治療と退院の一連がめちゃくちゃ面白かった。

ブクブクとしたデキモノ、グズグズの大便、ネチャネチャの体液、カサカサ動く虫、とにかく生理的な嫌悪感を煽るものが常に画面に映っている。
スクリーンから漂ってくる(気がする)悪臭に鼻がツンとし、顔がムズムズして手はベタ付いてきて本当に最悪なのに段々気持ち良くなっていた。

頻繁に挟まれる、コラージュのようなCG映像と音楽がとても好き。
ずっと観ていたらトランス状態になりそう。というか少しそうなっていて、だからこそこの映画を楽しめたのかも。
もしかしたら色々と深い意味を込めているのかもしれないけど、そんなことは知らん、良い映像体験だったしトリップできて楽しかった!

鑑賞後、何度も自分の頬を触ってブクブクしていないか確認してしまった。肌荒れはしていたけど異常な水疱はできていなかったので一安心。
個人的な話になるけど、観る前日に家で特大のゴキブリと半狂乱で格闘していたので虫のシーンでは普段以上にウゲッとなった。

ただ全体的に作り手側の自己満足感も強くてちょっと冷めてしまうのも否めない。
タブーとエログロナンセンスとシュールを突っ込んでみました、ドヤ!な感じというか。
私が監督のことを全然知らなかったので仕方がないかな…
キナ

キナ