あしたか

南瓜とマヨネーズのあしたかのレビュー・感想・評価

南瓜とマヨネーズ(2017年製作の映画)
3.6
[あらすじ]
ツチダは同棲中の恋人・せいいちのミュージシャンになる夢を叶えるため、内緒でキャバクラで働いていた。一方せいいちは毎日仕事もせずにダラダラと過ごす日々。しかし、ツチダがキャバクラの客と愛人関係になり生活費を稼いでいることを知ったせいいちは、心を入れ替え働き始める。そんな矢先、ツチダは昔の恋人・ハギオと偶然の再会を果たす。過去の思い出にしがみつくように、ハギオにのめり込んでいくツチダだったが…


臼田あさ美が良い。バンドマンのヒモ男を献身的に支える健気な女性を好演している。いや、もう献身的とかいうレベルではないか。愛人契約までしてお金を稼いでいるんだから…。
男に体を触られただけでビクつくようなウブな一面も持ちながら、元恋人の前ではデレデレになってしまうギャップが可愛い。
「ちゃんとしてなくてよかったのに」という台詞に象徴されるように、例えヒモだろうと愛してしまうという主人公の感情が見て取れた。どうしてそんなになってまで傍にいたいのか、本人にしかわからない。不思議なものだ。

キャバクラの同僚役の清水くるみも良い友人を演じていた。ついこないだまでは女子高生の役を演じていたと思ったら、今回はベテランのキャバ嬢役というのだから女優は凄い。
いっそ臼田あさ美と清水くるみのどっちかが脱いでくれればなお良k

その他オダギリジョーと太賀がタイプの異なるクズ男を演じているのも面白い。
オダギリジョーは完全に単なる金無しの女たらしクズ(にして元彼)なのだが、太賀演じるヒモ彼氏は完全にクズとも言い切れない絶妙な塩梅を演じている。ヒモのくせにお金を作ろうとしたり、中途半端に働こうとしたり、家を掃除したりと好感度アップを図り、妙に憎めない爽やかさを持っていた。


内容としては、あらすじ以上に語る部分があまりない薄めのお話。
ただ役者陣のハマった演技のおかげで飽きずに見られた。尺も短いし。刺激はないが、不思議とそれなりに見られる。
20代の男女にはよくありそうな話だった。


ところで何が『南瓜とマヨネーズ』なのだろう。
❶主人公が南瓜で、ヒモ彼氏がマヨネーズ
⇒普通はない組み合わせだが、一緒に食べてみると意外と美味いみたいな。2人の微妙な距離感や連帯感を表しているのかも。

❷ヒモ彼氏が南瓜で、元彼がマヨネーズ
⇒日常的に南瓜は食べるし美味しいが、たまにはマヨネーズのような調味料も欲しくなるみたいな。でもマヨネーズだけだと食べられないから南瓜も欲しいみたいな。欲張りさんめ。
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