スワヒリ亭こゆう

ビジランテのスワヒリ亭こゆうのネタバレレビュー・内容・結末

ビジランテ(2017年製作の映画)
3.3

このレビューはネタバレを含みます

気になっていたけど映画館で観れなかった作品です。
ようやく観れました。
かなり集中してのめり込んで観ちゃいました。
面白かったです。
僕はこういうノワールが好きなんですよ。
特に邦画ではこういう映画が良いですね。


ここからはネタバレありなのでご覧になってらっしゃらない方はご遠慮願います。




三兄弟が主人公の話です。
決して仲の良い兄弟の話ではなくて埼玉の地方都市の有力者でありながらも子供に暴力を振るった父親。
その父親から1人逃げていった長男。
年月が過ぎて大人になった彼ら三兄弟は父の死をキッカケに長男・一郎(大森南朋)が町に戻ってきて、それぞれの思惑がぶつかり合う事になる。


ストーリーは父から地盤を引き継ぎ市議会議員になっていた次男・二郎(鈴木浩介)とデリヘルの店長をやっていて二郎とは正反対の生き方をしている三男・三郎(桐谷健太)。
父が亡くなり、父の所有していた土地にアウトレットモール誘致の計画が立ち上がる。
地元の権力者から二郎へ、しっかりと土地を相続しろとプレッシャーがかけられる。
そこに長男が帰ってきて、相続は全て自分の物だと主張する。
三郎にもデリヘルのケツモチをしているヤクザから土地の相続をするよう圧力がかかる。



父から逃げた一郎が戻ってきて相続の権利を主張するんですが、父の遺言書はどこでどうなって手に入ったんでしょうか?🤔
そこがオチに来るのかな?って思ったんですけど、敢えて謎のままにしましたね。
ヤクザが出てくるのでノワールな方向にするのに父の感情は敢えて描かなかったんでしょう。

僕の中で意外と良かったのは篠田麻里子演じる二郎の妻ですね。
この女の立ち振る舞いが面白かったですね。
ファムファタールとしては弱いけど、作品のエッセンスとしては面白かったです。

それと長男がみんなが欲しがってる土地だけは手放さないと言うんです。
コレはもっと掘り下げた方が良かったんじゃないですかね🤔
面白くなりそうだったけど、有耶無耶でした。
長男のキャラは捉えづらいキャラでした。
映画の冒頭、父から逃げて川に入り対岸へ渡る三兄弟。
一郎は1人で川を渡り対岸にある物を隠すんです。
それは父の首を刺したナイフで、三兄弟は父を刺した後に父から逃げる為に川を渡って逃げる途中だったんですね。

一郎は刺したナイフを川の対岸に隠したのは刺したのが三郎だったからなんです。
ここはラストに繋がる部分なので大事な部分なんですが、だとしたら一郎の立ち振る舞いや性格などが噛み合わない気がします。


苦言ばかりですが全体的には面白いんです。
観てる最中はのめり込むほどだったので作品としては優れていると思います。
レビューを書く為に冷静になって考察すると「アレは何だったの⁇」が多くなりますね😅