賽の河原

ビジランテの賽の河原のレビュー・感想・評価

ビジランテ(2017年製作の映画)
3.6
あらゆる世の中の物語は36種類しかなく、それらはシェイクスピアによって分類された。なんて話もありますが、まあどれが源流かって話は置いておいて、世の中には昔から「デッカい存在感のある父親と3人の息子(兄弟)モノ」のお話ってあるわけですよね。
それこそシェイクスピアならリア王、カラマーゾフの兄弟とか映画ならゴッドファーザーとかね。
で、本作はその名の通り「ビジランテものなのかな〜」くらいのノリで行ったら、カラマーゾフあり、リア王あり、乱あり、韓国ノワール感あり、マクガフィンあり、結構多声的で重厚感があって面白かったですね。
全員死刑より面白かったような気もしますけど、割と前半が鈍重というかね... あの北関東感の病的な感じとか地方の人にはガツーンと来るのかもしれないですけど、個人的には「送電線のカット何回目だよ」って感じですね。
でも自警団側の話の薄っす〜い「思想」が起こす暴力の末路とか、立場ある人も平気で、あるいは無自覚にPC的にアウトなことをペラペラ話す田舎特有のコンサバティブ感とかは、主人公側のある意味呪われた家族のお話に加えて、なかなか射程の深い話でしたね〜。「そら田舎やししゃーないわ、っていうか日本の殆どの土地は修羅の国やな」っていうね。
でも親父はなんで一郎に土地を残したのかっていうのはなんでだったんすかね?
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