mさん

ワイルド・スピード/ジェットブレイクのmさんのネタバレレビュー・内容・結末

3.0

このレビューはネタバレを含みます

毎回アクションやキャラクターで面白く見れちゃう。宇宙に行くアクションはしっかりと今までのシリーズのハードルを超えてきてるし、ちゃんとクライマックスに持ってくれるからいい。

スーパーコンボの2人(デッカーとホブス)がいないことによる物足りない感は感じなかった。ハンの復活とかをその分丁寧に描いていたので、逆にいなくてよかったかもしれない。ただどうしてもホブスは今何をしてるんだろうと思った。
暗黙の了解のようにみんなホブスについて触れないし、
「向こうは警官だからこっちには事件がない限り絡まない」という理屈も前作のアイスブレイクでバリバリ絡んできたことからあまり納得できない。もう少し理由が欲しかったな。それかちょっとだけ出すとか。ホントにホブスに至ってはめっちゃありえないくらい重いものを持ち上げて踏ん張ってるカットを1カット入れれば満足できるキャラな気がする。

「やばい!あの扉は重さ200キロの壁で塞がれてる。突破するにはセキュリティーを突破しないと」「そんな時間はない!」その時ワンカットホブスがやってきて持ち上げてみんなが中に入れて「もっと重いと思ってた」みたいな一言だけ言えばもう本作にもホブスはファミリーとしてしっかり出てたねとなる気がする。

今回はいつもみたいにファミリーを連呼してなくて、もはや言葉で言わなくても家族感が出てるのがよかった。今までの作品の積み重ねや、それぞれの団結力や、会話を見ていて「あ、家族じゃん」と思えた。

ただ、製作者陣から「こういう話を作りたいから、このキャラはこうでこうする。だからみんなも受け入れてねよろしく!」みたいな押し付けを感じてしまって没入感がなくなり、冷めてしまった。

最たる例はハンだと思う。ハンの死はデッカートのものだったというあとからの設定は凄いよかった気がする。なぜならハンが死んだ悲しいという自分達観客の気持ちを捻じ曲げることなく、そこに「ファミリーを殺した」という今までとは一線を画すラスボス感に説得力を与えることができたから。でも実は生きてたにしちゃうとあれ?じゃあデッカードはミスしたの?とか、ラスボス感なくね?どういうこと?と色々こっちの気持ちの整理がつかなくなる。

それは製作者の思う壺で要は「デッカードはラスボスじゃないよ」「ファミリーの敵じゃないよ」
「本当の敵は8からでてきたサイファーだよ」って思わせたいからこういうことをしていく。だけど流石にひっくり返り返すには重すぎる。

悪い奴が味方になるとか、もっと悪い奴がいるって言う展開は全然アリなんだけど、それをやるにはあまりにも悪い奴感を一度出しすぎてしまった。ハンが殺された時点でラスボス認定をこちらはしてしまうので、たとえそれをなかったことにしてももう気持ちが戻らない。むしろ「じゃあなんだったの?」という気持ちになる。

前作ではまだカーチェイスやドミニクのファミリーへの熱い思いなど1の頃からブレないものを感じることができた。だからサイファーとかもまだ受け入れられたんだけど、今作からは「物語をこの後こういう風に持って行きたいから、こうします。納得して?」と言われてるような気がして心が離れてしまった。

元々まじめに見る映画じゃないんだけど、流石に引っかかってしまった。そもそもハンが復活する時点でこんな気持ちになることはわかってたんだけどね…

なんか死に関してが軽い気がする。
マーロウが死んだ感出して地雷のところから生き返ってくるところのテズたちのリアクションがちょっと無理だった。悲しんでるのがネタのフリになってるのがちょっと好きじゃなかった。


後弟の設定も「陰で諜報委員やってたから」「絶縁してたから話題に出なかった」
という理由付けはあるけど、裏切られて、共闘して普通にいい感じになってっていうありきたりな感じで台詞も刺さらなかった。
せっかくならジェイコブは家族を持たない
ドレッドは家族を持つ
そこの対比をして欲しかった
あの檻の中からファミリーと話すドレッドを見つめるジェイコブのカットが1番好き。だけどそれだけで終わって残念だった。

ここまできたから見るけど
だいぶへーーって感じになってる。
これ以上好きじゃないノリになってきたら離脱するかもしれない。
mさん

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