あおい

ウィンストン・チャーチル /ヒトラーから世界を救った男のあおいのレビュー・感想・評価

3.6
人は暗黒の夜明けを歓待する。そのとき帝国の誇りを失っていたのは、誰…

ゲイリー・オールドマン&辻一弘さん、Wアカデミー賞受賞作。英国首相ウィンストン・チャーチルが、第2次世界大戦時、最も苦境に立たされていた英国を奮起させるまでを描いた映画。

ゲイリー・オールドマンの演説に震えた。画面越しでも圧倒される熱量、声量、身振り、一国を導く者の威厳を感じる演技。そして、チャーチルという実際の人物の人間性を、良いとこも悪いとこも含めて体感できる。

前置きなどはほぼなく、本当にチャーチルが一番活躍したところたけを切り取った映画なので、時間的にも描写的に無駄がない。非常にスピード感があり、伝記物としてのまとまりも良い。イギリス国内からみた世界大戦という舞台もまた良かった。

1日が激動の時代で、人としても至らない彼が、いかにして大戦を乗り切ったのか。国民は彼を、イギリスをどう評価していたのか。そういったところまで深く切り込み、当時のイギリスを美化せず、ありのままをみせてくれる。

絶対退屈やと思ってたけど、結局泣いてしまった。それくらい魅せられる映画。こんなに議会がカッコいいと思ったことはないくらいかっこいいです( ^ω^ )

リリー・ジェームズが霞むくらいのチャーチル尽くしの今作。今後ここまでチャーチルを深掘りする作品は出てこないと思います。アカデミー賞受賞の2人はもちろんのこと、ここまで楽しめる伝記物を作った監督もまた、素晴らしい功績だと感じました。

2018年劇場鑑賞20作目
あおい

あおい