孤狼の血のぶんのネタバレレビュー・内容・結末

まじで震えるぐらい好き。任侠映画ってなんでこんな素晴らしく痺れるん？仁義なきを愛す私にとって本当に愛すことしかできない映画すぎた。何が良いってまずオープニングの東映の三角マークに波しぶきが仁義なきと同じ。そして抗争シーンはドスもチャカも使ってたし、指落とすシーンもちゃんとあったり、目を背けたくなるようなゲスな仕打ちもちゃんとあったし女優さんの乳首は丸見えで仁義なきへの強い敬意を感じた。そして俳優陣の素晴らしさたるや！伊吹吾郎が尾谷の組長であるだけでなく、千葉真一もびっくりの竹野内豊の鬼畜。菅原文太ほどの男気を見せる江口洋介。シャブ打って特攻する中村倫也の色気。金子信雄並みに嫌らしく姑息な石橋蓮司。仁義なきと比べたら失礼やけどうちの中で最も素晴らしい任侠映画である仁義なきと比べてしまうほど良い作品すぎた。時代背景が少しずれてることも好感を持てる。全く同じ時代じゃないことで仁義なきファンにも受け止められやすくするという作戦も功を奏してる。安倍純子はマル暴が主役の映画のヒロインとして的確な可愛さがあった。そして松坂桃李こんなに演技うまくて男前やってんな。序盤は広大卒の学士としてちゃんとうざい真面目くんを演じ、相方を失ったことでタガの外れた刑事すぎた。そしてなにより役所広司。CMでは、えー役所広司広島弁なん？とか思ったけど素晴らしすぎて言葉にできないほど凄い役者さんだと感じた。ちゃんと血生臭く熱気でむせ返りそうな様相で凄んでる時の迫力に圧巻。全体の台詞回しも雰囲気もふにゃふにゃした流行ってるから頑張ってる役者と違って凄みと湿度と血生臭さがあってこれはうちが生きてる中で上映された任侠映画史上至高なんやろなって思いました。むしろすきな日本映画で3本の指に入る。ポスターもいまの日本映画で一番熱と匂いを感じるイカしたものだと思う。

マイナスをいうなら、役所広司が良い奴という設定。人情味がありすぎた。それによって女性にも見やすい作品になってるけど、釈然としない点も多々あった。それにひきかえ松坂桃李は一貫して自分の正義を貫いてたように感じられてそこはよかった。
でも全体的に人の情が介入する世界で、そういった意味では甘い映画なのかもしれない。
あとは正義と悪の対照構造があからさますぎる。映画でも現実でも絶対いい人も絶対悪い人もいない世界なのに、加古村にしろ五十子にしろ正々堂々と悪でありすぎた。そして尾谷が卑怯でもなく鬼畜でもなく全くの悪がなさすぎた。善悪では判断できない世界であれよ。

アウトレイジは全員悪かつ冷静で綺麗な絵が続いてメージカラーは青のスカした平成っぽい映画。こちらは赤くて昭和日本の力強さと激動を感じるアツイ映画。
結論を言うと私は東映と仁義なきと孤狼の血が好きだ。