メランクさん

孤狼の血のメランクさんのレビュー・感想・評価

孤狼の血(2018年製作の映画)
5.0
単純におもしろかったです。

正義感を抱いた若者が権力のバックアップを受けて目の前の「悪」を暴いてやろうとするのだが、その対象とされる人物はそんなことはお見通しで、自分なりに考えてきた正義を貫いている。
そして若者の信じている正義がいかに近視眼的であるかを見せつけるように、バックにあるはずの組織の欺瞞性に気づかせる。

若者の正義感の危うさという視点で見れば実はすごく今日的であり、大上を全肯定する気はないけれども少なくとも大きなものに巻かれて安心するのではない生き方を示すメンターとしての彼の存在は大きい。

人が、組織に依存せずにタイトロープを歩み続けることがいかに困難なことか。

それをしっかりと別れ際に語っているんだから素晴らしい!
答えは「どちらか」ではない。
その真ん中のタイトロープを歩み続けることなんだよ。