キャストにハッピーアワーの人がいっぱい！
でも舞台が山村てこともあって雰囲気はこれまでの濱口竜介作品とだいぶ違いました。
「悪は存在しない」ってタイトルから、
まさか血生臭い作品になるわきゃないし
どんな「悪」が現れてくるのかと思ってましたが、
なるほど、山村の生活を脅かす「悪」か。
冒頭からじっくりと映される巧の山村生活が、
説明会を境にして東京視点へと切り替わる。
そして、たしかに感じざるをえない「悪」側への共感。
だよね、組織と需要の論理から言えばコンサルもそう言うだろうし、
翻って考えてみれば山村側は反対する気満々なわけで。
ふむ、たしかに悪は存在しないかもだが、
いったいこの話どう落としていくのだろう？
主人公・巧は妻を失っているようだが詳細は語られず、
基本的に何を考えてるのかよくわからない。
というところからラストの意外な行動に
正直言って置いていかれていくこと必至です。
悪は存在しない、けれども確実に積もってる何か、
伝わらない、理解しあえない何か、
理解しようとする者を拒む何か。
それは自然そのものと同義かもしれないし、
だからこそモヤモヤだけを残します。
なかなか消化しきれず、掴みきれない作品でした。
そんな作品だけど劇場で何度か笑いが起こってました。
