銀幕短評 (#291)
「29歳問題」
2017年、香港。 1時間 51分。
総合評価 30点。
わたしの人生の 2時間を返してほしい。
原題は「29+1」。30才というのはひとつの区切りであることは認めよう。わたしの場合は、長男が生まれていたし、転勤(国内)もして 深夜 2時まで働いていたし、酒は飲んだしゴルフもしょっちゅうだったし、けっきょく 気楽にやりたいことしかやっていなかった。だから 忙しくてあまり実感はなかったな。
主人公の香港人クリスティは独身のキャリアウーマン(というコトバが古いが)だが、たかだか30才のハードルを跳ぶのに怖じ気づいている。なにかを取れば なにかを捨てなければならないことが、彼女はまだよくわかっていない。
ひとは老いたと思ったときに老いはじめる、という。わたしは まだじぶんは十分若いと思っている。だから近所の大学の女の子を誰かれ誘っては、アンナこともするしコンナこともする。どうせ人生は一度きりなのだから、やりたいように生きればいい(ひとに迷惑をかけなければ)。主人公のようにウジウジ くよくよ する時間があるなら、映画の一本を観るなり美術館に行くなり、後悔しないことをしたほうが よほどいい。
だから、わたしの人生の 2時間を返してほしい。