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誰がための日々のBigsのネタバレレビュー・内容・結末

誰がための日々(2016年製作の映画)
4.1

このレビューはネタバレを含みます

2017年大阪アジアン映画祭 最優秀作品賞受賞も納得の作品でした。

介護うつ、と一言で言っていいものか躊躇うけど、今多くの人が抱える問題に焦点を当てた本作。この題材だけでも非常に有意義だし、作られるべき作品だと思う。
勿論、題材だけに限らず、脚本・演出も素晴らしい。
病院から退院したばかりの躁鬱病を患っていた主人公(冒頭主治医から鬱の発症は母親の件とは関係ないと言われるが…)、はじめは確かに"治って"いるようにも見える。そこから、物語が進むにつれて、彼のフラッシュバックを通して観客側は何が起きたか徐々に知ることになる。記憶が鮮明になるに連れて、彼の心はどんどん不安定になっていき、観客の心の動きと連動している。この構成が非常に上手いし、この題材を効果的に伝えるような作りだったと思います。

主人公の妻が置かれた状況もまたショッキング。宗教が本質的な救いになるのか?というエッジーな問いかけだったと思う。(自分の個人的な考えとしても、何かの問題に対する解答として宗教よりも合理的な解決法を探っていくべきだと思う。)
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