ハルヒコ

ファースト・マンのハルヒコのレビュー・感想・評価

ファースト・マン(2018年製作の映画)
4.5
アポロ11号と人類史上初の月面着陸、それらを特にその立役者であるニール・アームストロングの視点から描く。

オープニングのX-15テスト飛行からして最高。ライアン・ゴズリングの顔をドアップで映しつつ、九死に一生の緊張感が大画面いっぱいに伝わってくる。IMAXだとここだけで満点級。

アポロ11号発射シークエンスの暗澹たる様子は必見です。本作における宇宙船、スペースシャトルには常に死のイメージが取り憑いており、コックピットの中から描かれる「人類初の月面着陸」は世間一般のイメージにあるような英雄譚ではないのがとても面白いです。

人間誰しも、ドッキングシーンではワルツを流したくなってしまうものなんでしょうか。恐らく『2001年宇宙の旅』のオマージュであろうこのシーンは、全体的に暗鬱とした本作内で唯一安らげる瞬間であったかも知れません(直後にまた死にかけるんだけども)。

基本的に映像は常時フィルムっぽい質感なのも良いですし、装置の無骨さやレトロな感じも好き。
あれだけ精度が求められそうなミッションなのに、シャトルや内部のコックピットはガタが来ていそうだし、G8発射シークエンスにおいては「すんません、シートベルトのバックルにゴミが詰まってました笑」みたいになっていて、本当に笑ってしまう。

音楽も良いですね。一昔前のSFで流れてそうな、宇宙っぽいフニャフニャした劇伴がいい味出してる。一番好きな楽曲は『Multi-Axis Trainer』です。
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