takanoひねもすのたり

シネマ歌舞伎 京鹿子娘五人道成寺/二人椀久のtakanoひねもすのたりのレビュー・感想・評価

4.0
お正月にEテレで「玉三郎かぶき女方考」をみて興味がわいて劇場へ。

京鹿子娘五人道成寺、舞踏。
僧の安珍に恋した清姫がストーカー化し蛇となり道明寺の鐘ごと焼き殺した話の後日譚。鐘供養に白拍子花子が現れ舞を披露するが、花子は実は清姫の霊だった…というもの。

二人椀久、舞踏。
美貌の傾城・松山太夫に惚れ込んだ椀屋久兵衛。遊蕩が過ぎて幽閉された彼は太夫に逢えない辛さから錯乱しやがて逃亡。彷徨う彼の前に太夫の幻が現れ連れ舞を踊る…というもの。

華やかでした。
どちらも恋した相手への一途さを描いていますが、片や蛇化、片や錯乱し抜け殻と結末が対照的で興味深かった。

みなさんの所作が美しくてため息が出た。
坂東玉三郎さんの気品が半端なかった。
また、ご兄弟だからというのもあると思うが勘九郎さんと七之助さんの親和性の高さよ。そしてインタビューで勘九郎さんが「女方の中に立役ひとりぶっこまれちゃって」と語っておられたのがチャーミングでした。