とがり

マッドバウンド 哀しき友情のとがりのレビュー・感想・評価

3.8
大戦前後のアメリカ南部の農場を舞台にした2組の家族の物語。
戦争が始まっても終わっても、未だに無くならない偏見と差別、そして生きていくことの過酷さを描く。

不条理を飲み込まなければ生きていけない、しかしなお耐え難い運命と、共に続いていく人生。
ぬかるみに足を取られる者たちの哀れさがひたすら映し出される。

キャスティングが絶妙すぎて、当て書きでもされたのかと思うくらい主要キャストがハマっている。
頼りがいがあるようで無い無責任夫ジェイソン・クラーク、
相変わらず男に恵まれないキャリー・マリガン、
PTSDとアル中のダブルコンボでも良い奴なのはわかるギャレット・ヘドランド、
苦渋を舐める目と笑顔のギャップが良いジェイソン・ミッチェル、
忍耐力がありすぎてもはや諦念が支配するロブ・モーガンとメアリー・J・ブライジ、
そして偏見に凝り固まった頑固クソ親父のジョナサン・バンクス!

基本的に画面は農場なのと、登場人物たちの独白が続き、終盤の盛り上がりまでがやや退屈かもしれない。
とがり

とがり