『バーフバリ』が＂恩讐と活劇のスペクタクル＂であるならば、今作はさしずめ＂自意識と妄想のスペクタクル"とも言うべきか。
しかも、松岡茉優という女優の現時点での総決算とも言うべき一世一代の大スペクタクルには、否応無く引き込まれる。
また、共演の男優二人の存在感も絶妙。二役の渡辺大知の「悪い奴では無いがどうにもウザい」というキャラクターの塩梅も適切だが、自分が感心したのは北村匠海演じるイチの方。
単なる人気者のイケメンというのではなく、尊大な自意識を抱えたヨシカが密かに幻想を仮託するに相応しい独特の雰囲気を見事に身にまとっていた。
