リリー

レディ・マクベスのリリーのレビュー・感想・評価

レディ・マクベス(2016年製作の映画)
3.8
ホラーでした。フローレンス•ピューの貫禄により倍増する女の執念も恐ろしいけれど、イギリスの階級社会の無情さも恐ろしいです。下層階級の人間は何を主張しても信じてもらえずクズのように扱われることがわかります。
映像はどこを切り取っても中世の絵画のようで、光と影の演出が美しいです。だからこそ人間関係の無機質さが強調されて寒々しい印象です。
キャサリンは元々は夢を持って裕福な家に嫁いだのでしょうから、彼女を狂わせたのはその家族と環境なので不憫にも感じてしまいます。しかし生きていくために取った行動なのだと思いますが共感はもちろん出来ません。特に子どもが関係する場面は見るに耐えない。
見事なフローレンス•ピュー劇場でした。
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