ShinichiAndo

ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書のShinichiAndoのレビュー・感想・評価

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決してスケール感のあるシーンや、ハデな展開、キャラの強い登場人物が出てくるわけではないのに、こんなにもスリリング&エキサイティングで、さらにメッセージ性のあるエンターテイメントになるなんて! 近年のスピルバーグ作品の中で最も印象的だし、(いまのところ)アカデミー賞作品賞ノミネート作品の中でもいちばん好き。

冒頭の戦場シーンから飛行機の中での会話劇、そして機密文書の持ち出しシーンまで、これまでのスピルバーグ作品のベスト盤を観ているようでワクワクしっぱなしでした。イーストウッドの「〜パリ行き」もそうだったけど、気負わずにサクッと撮っている感じがさらに素敵。

最もテンションが上がったのは、新聞の輪転機のシーン。記事を書く人、事件を伝える人も素晴らしいけど、新聞を作る人、新聞を届ける人もプロフェッショナルであり、欠かすことのできない人々なんですよね。そしてそれを伝える手段として、スピルバーグおなじみの“振動”が!

ストーリー的に最も緊張感が高まるところで、小さな子供が大人たちにレモネードを売って一儲けするエピソードが入っていたりして、そこで文字通り観客も“息抜き”できるところも素晴らしかった。そして、アメリカの子供は本当にレモネード売るんですね!
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