mさん

リバーズ・エッジのmさんのネタバレレビュー・内容・結末

リバーズ・エッジ(2018年製作の映画)
2.4

このレビューはネタバレを含みます

ひたすら苦しい映画だった。多分性悪説に基づいて作られてる気がする。みんな登場するキャラはどこか闇を抱えてて、ひねくれてたり、良くない部分がある。学校サボるとかタバコとかはもはや悪いことに含まれていないんだろう。妊娠させたり、自殺したり、死体を埋めたり、拒食症になったり、人間の暗部の詰め合わせっていう感じ。その中でゲイやホモであることもその人間の醜い要素の中の一つとして描かれてるのが結構辛かった。どうしてもこの時代でそれを貫こうとするとああいうホテルでのシーンのようなやり方でしか発散ができなくて、それが醜く見えてしまうんだけど、本当はLGBTがもっと許容された世界ならこういうふうには描かれないんだろうなと思った。90年代はまだこういうのが気持ち悪いと世界がおもってたんだろうし、作者もそう思ってたんだろうなと思うと悲しかった。

あと観音崎くんが最後ハルナの引っ越しを手伝うシーンがつらかった。一番最初に彼の情報なしで見たら、この人は優しい彼氏さんだと思えるのに、ここに至るまでの悪行によってそんな純粋な理由で来たわけがないだろうと疑ってしまう。それが辛かった。観音崎はただ誰かに褒めてもらいたいから手伝いに来たんだ。お母さんから言われたあの褒め言葉のためにきたんだろどうせと思ってしまった。人間を信じれなくなってしまい、この映画に毒されて性悪説を信じてしまいそうになってしまった。

人の死も、誰かの悪行も、この世界にいるとどうでも良くなってすごく軽いものとなっていく。それも辛かった。独特の雰囲気に毒されていく。なれていくのがつらかった。死んだ後の方が好きになれたって言うセリフとか。多分あの世界にいたら言えてしまうだろうなと、最後何だよそれって自分がならなかったのが怖かった。あの間もセリフも漫画から飛び出してきて全然リアルじゃない。だけどそう言う世界だもんなって世界観が全編通じて構築されてるから見れてしまった。長すぎない?あの間もう1秒減らせる?みたいなことをいう作品じゃないんだろうな…余韻を楽しむ映画なんだろう。

あのカメラインタビューは映画オリジナルかな。監督がインタビューしてるのかなって思ったけどかなり大胆だなって思った。

この世界にはいりこむことはできた。だけど凄いつらかったし自分は色んなものが軽くなってるこの世界に生きてこなくてよかったなって思えた。
mさん

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