カカオ

ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2のカカオのネタバレレビュー・内容・結末

3.0

このレビューはネタバレを含みます

シリーズ通して全部おもしろい。何度観ても最高に心を躍らせてくれるファンタジー映画!

十代の頃に映画館で初めて観たときよりも、理解できることや汲み取れる(予想を膨らませる)場面が増えてるな〜と思えたのが新鮮でうれしかった。
シリーズ中ずっとそうなんだけど、失うものを背負わされるハリーがつらくてやだよね。自分のせいでまわりに毒が広がっていく感じ、、それこそが闇の魔法使いたちの呪いに蝕まれててくやしい。

スネイプ先生の記憶を通してハリーが己の出生や轍を辿るシーンで、偉大なるダンブルドアのホグワーツ魔法魔術学校校長として譲らずに生きてきたもうひとつの顔を知るところ、初見はけっこうショックだったんだけど、今なら全然わかるというか、彼ならそうするよねと大いに納得する。
愛に護られ生き延びた我らの希望である光をひとり犠牲にするのと、平穏な日々を送れる世界とを天秤にかけるとなれば、ダンブルドア校長は前者をえらぶから誰よりも強く、頂きに立っていられたんだろうし。
もちろんギリギリまで足掻き、抜け道はないかと考えつづけ、それでも他はないと知ったうえで自分が与えられるだけの愛をもって希望へ接するだろうけど。めちゃくちゃかっこいいひとだ。

スネイプ先生はどうなのかなあ。
リリーのためならトロッコをどう停めるだろう。
正解も出口もない感情を抱えて生きた最後があれなんて、あまりにも苦しすぎる。リリーの瞳がすぐそばにあったとき、リリーに会いたくてたまらなくなったとき、どんな思いで居たのかは彼だけのものであってほしく思う。だれにも教えたくないよねきっと。
それでも、彼の生きかたを、美徳を、たったひとりでも知っていてくれてよかった。

上映後、嗚咽を漏らしまくりながらなにも言えずに映画館からヨボヨボになって出た記憶があるし、今回は家で壊れるほど泣いた。
ハリーという希望がこの先も紡いでゆく光の物語に引っ張りあげてもらったよ。ありがとう。

最終章の勇気あるみんなが全員主人公みたいにまぶしかったけど、結局のところドラコを愛してしまうのかもしれない。虚勢と面子で雁字搦めになりながら、じめじめと地を這うすがたが非常にかわいいからね……
カカオ

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