虚言癖+躁の躁の女と全身ピアス入れ墨ガールによる精神病院逃走ロードムービーというはっきりわかりやすい百合映画なのだがイタリアの観光ムービーとしても夜のイタリアの街をさまよいまくっていてビジュアル面でもたのしい。
なぜか叙述が逆になっていて中盤にならないと物語のエンジンがかからないのだがほとんどズラウスキー映画の狂人の粋に達してるベアトリーチェの演技が飽きさせない上に後半はかなりの急展開で泣かせにくる。「背中がくすぐったい時があるでしょ?わたしがくすぐってるんだ」。ラストで再び精神病院に収監される二人。外の世界と中、もはや彼女たちには区別がなくなる。出ることが、どこかへたどり着くことが目的ではない百合ロードムービーとしてはそこそこおもしろい。狂人ミーツ狂人だし。