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若き人妻の秘密のmのレビュー・感想・評価

若き人妻の秘密(2011年製作の映画)
4.3
特段何かが飛び抜けて素晴らしいという訳ではない質素な小品だが、この映画の大きな教訓は『良い役者がいればこれだけ簡潔な表現でも多くの事が観客に伝わる(あるいは想像させられる)』という事だ。そしてその事をこの監督はとてもよく理解していて、役者を信頼している。物言わぬレア・セドゥの眼差しの、情報量の多さと謎めいた余白といったら!彼女の女優力はやはり凄い。
オリヴィエ・グルメの優しく枯れた味わいも良い。

後半で2人の障壁となる2つの出来事があざと過ぎる事や、伏線が全く張られていない故に事の真相がアンフェア過ぎる事は残念だった。

ドリーの使い方に好感を抱いた。ラストカットのダイナミックなカメラワークには思わず感嘆。

フランス映画らしい良さのある小品だった。
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