明石です

顔のない眼の明石ですのレビュー・感想・評価

顔のない眼(1959年製作の映画)
4.5
パリで相次ぐ、若い女性が顔を潰された上で殺されるという猟奇的な事件。それは、事故で顔を失った娘のために、彼女に似ている女性を殺して顔の皮膚を剥ぎ、移植を試みるサイコな外科医の仕業だった!!

ジャケットにも写ってる、顔の皮膚をなくし、真っ白なマスクを被ってる少女の顔が良い感じにゴシックな雰囲気を醸し出していて、画面の綺麗なホラーだなとしみじみ。そしてマスクを取ったお顔には怖さもありながら、洗練された狼姫という感じで美しい。一人で美女と野獣を兼ねてるとは素晴らしいアイデア(手術に成功し、ソナタは美しい、と言われてる時よりも、マスク付けてた時の方がお綺麗という笑)しかも!彼女の顔は拐われた少女の目を覚ましたばかりのぼんやりした視界で一度映るだけというこだわり抜かれた演出。この美しく気品に満ちた恐怖感が堪らんのです。

初公開時には失神者が続出したという、陰影豊かなモノクロ映像の中で繰り広げられる、顔の皮膚を剥ぐ手術シーンはかなりの長尺で、それもゾッとするほど淡々と映されている。ドキュメンタリーチックな撮り方をされていることも相まって、本物の手術を見てるみたいでかなりの迫力がある。ドキドキしたぜ、、ハリウッドがヘイズコードに縛られていた時代にこんな猟奇的な作品を作れたフランスの恐怖映画は凄いなあ。
明石です

明石です