顔のない眼の作品情報・感想・評価

「顔のない眼」に投稿された感想・評価

Ryosuke

Ryosukeの感想・評価

4.3
明暗のコントラストの強調された画が安定してスタイリッシュ。影の多用や明滅する光を顔に当てる描写などの表現主義的な演出も好み。木々を反射する車体や鏡等の多重的なイメージも登場人物の心情を強調する。 対象物にゆっくりと近づいていく目線カメラが不気味で良い。 カルトという評判の割に演出は手堅く、ストーリーも(奇妙ではあるが)真っ当な感じで展開も先読みできるが、充分良質な作品となっている。
黒沢清やギルレモ・デルトロにも影響を与えているらしい。
冒頭の移動撮影が車内からの風景であったことが分かるという最初のシーンから引き込まれる。
顔の皮を剥がすシーンは単調な割に長くてエグいのでちょっと勘弁してほしかった。
作品にそぐわないお気楽な音楽が繰り返されることは同じアリダ・ヴァリ出演の「第三の男」と同様だが、本作は場面に応じて不穏なアレンジが追加される。 犬の鳴き声も不安を煽る。
手術後の顔が人工的に見えるのは表情と照明の工夫だろうか。
作中、手術後の顔を天使のようだと評されるが、むしろラストで犬や鳥を解放するマスクの彼女の方が天使にように見えるというのは(意図してないかもしれないが)上手い。
博士が顔にひどい傷を負って絶命するのも皮肉。
ubik

ubikの感想・評価

-
自宅をあるくのを無音で永遠うつすシークエンス不気味すぎ。そのあと父が部屋に入ってうつ伏せで寝ている娘に近寄るときなぜ主観ショットなのかわからん
わけわからん植物
気絶させるシーンいい

長い上に続く階段3回目くると思ってたけどこない
TICTACz

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4.0
程よく気持ち悪い奇妙な余韻が残って好き。ラストに到達するまで地味だけど、それが逆に最後になって効いてくる。
Moeka

Moekaの感想・評価

4.0
白黒なのに血のドス黒さや生暖かさが伝わってくるおどろおどろしさ、この表現は当時ヘイズコードがかかっていたハリウッドでは決して描くことができなかっただろう。閉じ込められている娘はまさに檻の中の犬、籠の中の鳥と同じ。人間の顔の中で最もその人を印象づけるといっても過言ではない眼だけが残っているという点が興味深い。無垢で清純、平和の象徴である鳩と共に進んでゆく彼女は不気味ながらも天使そのものの美しさだった。とても好みの作品
表現としてはまず顔を隠したコートだけを映して、次のシーンで引き摺られる生足を見せて女性の死体を表す描写が実に上手いと思った。

そこからはサスペンスらしく台詞で進行していく展開や情報描写も目立って正直好みではなかったものの、アリダ・ヴァリのミステリアスな演技とピエール・ブラッスールの静かな狂気を秘めたキャラに求心力があったおかげで飽きることは無かった。

助清の元ネタと思しき仮面をつけたエディット・スコブも儚げで良かったし、焼け爛れた素顔の酷さもホラーチックだったけれども、どうせなら犠牲者の女性の役も彼女にやらせていたら失われた顔が際立って悲劇性が増していたように思う。

そして当時は既にヌーヴェルヴァーグが台頭してきていたけど、それを思うとこのフリッツ・ラングを思わせる作品は作りとして良くも悪くもあまりに古風だったんじゃなかろうか。
佐藤

佐藤の感想・評価

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映画的にはそんな何だろうけどさ。

手術シーンを変に省略しないところに何か意図を感じた。
【恐ろしくも芸術性の高い作品】
事故で顔の皮膚を失った娘のために、医師である父親が若くて美しい女性を誘拐し彼女たちの顔の皮膚を剥ぎ取り娘に移植するというのが大まかなストーリー。
「オペラ座の怪人」のようなヌメッとした白塗りの仮面を装着している娘のクリスチアヌが怖いけれど本当に綺麗!タイトルの「顔のない眼」そのままに、仮面から存在感を隠しきれない瞳が、不慮の事故で未来を奪われた少女の苦悩を表現している。
白黒映画時代でここまで生々しい手術シーンがあっただろうか。ターゲットとされた女性たちの顔にメスと入れるシーンはかなり残酷!しかもしっかりと見せてくる(笑)。白黒なのに、生温かい血の赤が鮮明に映る。
最後のクリスチアヌと白鳩のシーンは、ここ最近見た映画の中で最高に美しかった。
Naoya

Naoyaの感想・評価

2.4
交通事故で顔の皮膚が滅茶苦茶になってしまった娘の顔に、医者である父が、誘拐して殺した若い女性の顔の皮膚を移植する、怪奇スリラー作。スリラーながら大味にはならず、作り込みのあるシーンがある内容。特に手術シーンは短いが生々しさがある。医者であるがゆえの、移植に対する目線、移植後の経過を辿る場面は映画としてはリアリティがある。物語として起承転結あり、結末の余韻は印象的。モノクロだからこそ過激さはなく、美しく感じるシーンが多く、移植前の、マスクを被った娘の顔がとても映える。邦題も本作をよく表しています。(DVD)
凛太朗

凛太朗の感想・評価

3.8
1959年のフレンチ・ホラーであり、外科手術をホラーで描くという、今やありふれまくった題材の草分け的存在であり、聳え立つ金字塔。
現在は兎も角、当時のハリウッドではヘイズコードによってこれは確実に作れません。
ということで、今の感覚で観てどうのこうのという話ではないですね。当時としてはグロテスクで斬新だった。(今観て目を背ける人も居るんでしょうけど)
ホラー要素もさることながら、この映画、ファンタジーとしての美しさも持ち合わせて居ます。
ラストの白い仮面に白い服、そして白い鳩。
清廉潔白とか純粋、平和というポジティブなイメージとは裏腹に、無や空虚といったネガティブなイメージも連想させます。

マッドサイエンティスト、もとい、ラウドネスよろしくクレイジードクターな外科医の主人公は、自分の運転による交通事故によって、娘の顔に傷を負わせてしまったという罪悪感、或いは愛故に、娘と同じような姿をした若い女性の皮を剥ぎ取って、皮膚の移植手術を実行していたつもりのはずが、実は娘のためではなく、得ることのできない功績や名声、単純な科学や医学への興味によって犯行を行なっていたことがわかる。
助手を演じるのはアリダ・ヴァリだけれど、彼女もまた博士の手によって施工済。
博士に対する愛か恩義が忠誠か、絶対服従の関係であり、彼女もまた若い女性を物色し、助手の務めを果たす。
要するに二人ともサイコパスですね。純粋と言えば純粋。

娘のかぶる仮面が、それこそ犬神家の佐清。(あの佐清は佐清じゃないけど)
マスクの下はどうなっているのか?と想像力を掻き立てられるわけだが、(映るけど)『顔のない眼』の顔のない部分を想像してしまう自分がいることが、何よりホラー。
2018年2月15日(木)に鑑賞。撮影の技法や設定など当時としては斬新で現在につながっていることも少なからずあるのだろうけど、私は観ていて退屈だった。
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