ありふれたテーマと言ってしまえばそれまでなんだけど、素直に響いたし清々しい気持ちで観終えた。
夫のDVから逃れイタリア、トリノに住む親友を頼り心機一転、再出発を目指す親子。13歳と言う難しい年頃の息子と母の微妙な関係性を描きながら、それぞれの成長を描く…
男の子を育てた事は無いけど、思春期特有の不安定さがとてもリアルで苦味を伴う大人への一歩が切なくて眩しい。無邪気でいられる時期は実は僅かでとても尊くて、彼が流した綺麗な涙がことのほか印象的だった。
トリノの街に公園に、至る所に敷き詰められた落ち葉の晩秋感がとにかく素敵。一方で、モヤモヤとして晴れない母子の心情にもぴったりくる。そして何処を切り取ってもアートな街のあちこちにはワクワクしながら観てた。
周囲の人達の温かい眼差しに見守られながらやっと辿り着いた再出発の光が清々しくて、自然と湧き上がる多幸感に包まれた。
