はじまりの街の作品情報・感想・評価

はじまりの街2016年製作の映画)

La vita possibile/A POSSIBLE LIFE

上映日:2017年10月28日

製作国:

上映時間:107分

3.7

あらすじ

秋深まる北イタリアのトリノ。アンナとその息子ヴァレリオはローマからスーツケース一つを提げ、この街にやってきた。夫のDVから逃れ、親友カルラを頼って心機一転新しい生活を切り開くつもりだ。しかし、アンナは見知らぬ土地で仕事探しに焦り、ひとり寂しい時間を過ごすヴァレリオとの溝は深まるばかり。そんな親子をさりげなく見守る陽気なカルラに、近所のビストロオーナーの温かいまなざし。人生最高の日がやってくるまで…

秋深まる北イタリアのトリノ。アンナとその息子ヴァレリオはローマからスーツケース一つを提げ、この街にやってきた。夫のDVから逃れ、親友カルラを頼って心機一転新しい生活を切り開くつもりだ。しかし、アンナは見知らぬ土地で仕事探しに焦り、ひとり寂しい時間を過ごすヴァレリオとの溝は深まるばかり。そんな親子をさりげなく見守る陽気なカルラに、近所のビストロオーナーの温かいまなざし。人生最高の日がやってくるまで、どんな逆境にもめげない母の勇気と健気な息子の優しさに胸が熱くなる。美しいトリノの街を舞台に、新たな人生の可能性を指し示してくれる感動作。

「はじまりの街」に投稿された感想・評価

chip

chipの感想・評価

4.2
夫の暴力から逃れて、友人を頼りローマからトリノにやってきたアンナ。中学生の息子ヴァレリオと一緒に。
ここで再出発する決意のアンナ、友だちも好きなサッカーもできなくて落ちこむ息子。。

秋、紅葉の季節のトリノがとても美しい。友人のカルラ、近所でカフェを営むマチュー。ふたりはこの親子を支えてくれる。
ヴァレリオの初恋も描かれ、この時の彼の笑顔はとても輝いていました。辛い結果になりますが、マチューがまた相談相手で良かった。

イタリア語でまくしたてる映画は苦手です。この作品は、優しい。
この親子は、ここでやっていける、と確信できるラストも良かった。
映像からでも十分に寒さが伝わるトリノの街で繰り広げられる母と息子の再生の物語。
すごく静かで丁寧な作りでずっっと惹き込まれた。

ポスターだと母親とその友人が中心になったお話に見えるけど、本作はどちらかというと14歳の息子にスポットが当てられている。
14歳という多感な時期に、父親による母親への暴力を見てしまったトラウマ、友達と離れて新しい街に引っ越して友達も出来ずにいる孤独など、もう彼が可哀想で観ていて辛すぎた。
1人で壊れたサッカーボールでサッカーをしてる姿には辛すぎて涙腺崩壊寸前。
後ろから抱きしめたくなった。
そんな孤独な彼の背中をそっと押してくれる近所のカフェの店主が素敵。
母親の心の傷も静かにケアする店主。
そんな彼にも心の傷があって、、
あぁ!本当に優秀すぎる脚本!!
丁寧に編み込まれた孤独と優しさで溢れてる物語に前のめりになって倒れてしまうくらいやられてしまった。




▲ここからネタバレ
▲ここからネタバレ
▲ここからネタバレ







売春婦の女の子に恋をしたり、新しい街で色々と成長した息子。
女の子とはどうなるの?
母親とカフェ店主とのこれからの関係は??
そんな疑問を観客に残したままのあのエンド。
この終わり方が好きすぎる!
全てのエピソードを解決させてから物語を終わらせる脚本が多いなか、あえて問題が解決してなかったり、エピソードが中途半端なまま物語を終わらせる手法に痺れた。
しかも、中途半端なところで終わらせてるのに、観客をモヤモヤさせない素晴らしさ!
究極に好きな終わらせ方で参ってしまった。
あぁ、大好き。
余りに劇的な内容でもなく、落ち着いた調子が続いて、ラストは凄く心が暖かくなった。

もっとハプニングや事件があっても良かったかな?
日常の中の非日常?という感じが良い映画でもあるから、なんとも。

この親子の顛末を見た上での
This is my life (la vita)は、本当に心に沁みた。人生頑張れそう
「はじまりの街」観了。
トリノを舞台に、13歳の少年と取り巻く大人たちのドラマ。
13歳の少年がこじらせ気味なのは仕方ないにしても、周りの大人もみんな何かしらをこじらせまくってます。で、みんな素直でいい人なものだから、すれ違ったりぶつかったりしまくってます。そこが大変に良い。忖度しない、ちゃんとコミュニケーション取る文化ってとてもいい。
観終わって、とても良い気持ちになれる1本です。
emedia

emediaの感想・評価

3.8
ヴァレリオは超ピュアな13歳である
母に対する父の暴力にも衝撃を受け・・
アンナはヴァレリオを連れて家を出る

トリノの新しい生活に溶けこめず
周りの拗らせた大人達にピリピリして
心を休ませる処もないヴァレリオ

ローマに帰りたい・・
パパに逢いたい・・
自分の気持ちを押しこめる日々

サッカーが好きなのに友達もいない
もう自転車で走り回ることで精一杯って
不器用なところが何とも可愛らしい

遊園地デートする表情も愛くるしい
でも初恋とは切ないものなのですヨ
恋した相手は・・ね~~
確かにヴァレリオにとっては
胸に五寸釘を打たれる程のショック・・

ここで大人のハードルを
弾ける程にハイジャンプしたのだね
さち

さちの感想・評価

4.1
いかにもイタリア🇮🇹感満載の色々。

大御所女優コンビはさることながら、ヴァレリオ役のアンドレア・ピットリーノ君が全部もっていった感〜〜☝︎

彼女が素で登場した時にはグッとくるものがあった。
え?音量間違った?くらいのコテコテ人生賛歌ではあるがシャリー・バッシーの「This is my life」が希望を与えてくれる。

もう少し彼らのその後が見てみたかったなぁ。
panpie

panpieの感想・評価

4.2
まだ本調子ではないものの今日は休みでかなりうだうだ出来た。
一日中パジャマで眠くなったらゴロゴロうとうとして少し英気を養えた様な気がする。笑
しかし一日中パジャマって。(^^;;
だらしないけど今日の私には必要だった気がします。
11月以来休みは出ずっぱりで映画館に通い詰めていたので体と心が悲鳴をあげたんでしょうね。
若くないので大事にしなくちゃ。


劇場で予告を観てずっと観たかった今作。
13歳のヴァレリオがサッカーを終えて友達と自転車で帰宅すると父親の罵声が聞こえ母親が腹を殴られているのを見てしまう。
ショックで涙を流し失禁してしまう息子を見て母親のアンナは家を出る決意をする。
額の傷も以前の夫のDVによるもので悩んではいたがおそらくアンナは子供もいるし私さえ我慢すればと今まで自分の感情を殺して来たのだろう。
でも度重なるDVは思春期で多感なヴァレリオの心の傷にもなり兼ねない。
アンナは決意を固めてヴァレリオと一緒に列車に乗って長年の友達カルラのいるトリノへ向かう。
独身のカルラの住まいでアンナの仕事が決まるまで世話になる事に。
アンナは焦るがなかなか仕事が決まらずヴァレリオも新しい環境に馴染めずに孤独を募らせていく…


夫はアンナの父親にヴァレリオ宛の手紙を託す。
「パパが悪かった。
ママとやり直したい。
お前を愛している」
それをヴァレリオには見せずにアンナは隠す。
なかなか仕事は決まらない。
ヴァレリオも思春期の難しい年頃で夫の元へ戻ってしまおうかと揺れるアンナ。
その揺れる心を引き止めて支えるカルラ。

やっと仕事が決まって飛んで帰るとヴァレリオは家にはいなくてベッドの上には夫の手紙が!
読んでしまったんだ。
「父さんの元にはもう帰りたくないけど母さんは僕宛の手紙が来ていたのに隠して見せなかった!」
ヴァレリオの気持ちも分かるしアンナの気持ちも分かって観ていて胸が痛んだ。
イタリアも子供を抱えた母親に優しい街ではないのだな。
ましてDV被害者なのに子供の相談に行っても父親の了解もなければ心の傷を専門家に診てもらえないなんて。
夫から逃げて来たのに了解を貰いに会いになんて行けないでしょ!
アンナの苦悩が痛い程伝わってくる。

ヴァレリオを演じたアンドレア・ピットリーノ君がとてもピュアでいい演技をしていた。
前に見た事がある様にも誰かに似ている様にも思うのだけど思い浮かばない。
学校でもまだ話せる友達もなく家に帰っても母親不在の寂しさからいつも自転車で向かう公園の路上に立つ娼婦ラリーサに次第に想いを寄せる様になるヴァレリオ。
異国の地で弟に似た背格好で同じ様な年頃のヴァレリオに商売の邪魔ときつく言うが毎日自転者に乗って会いに来るヴァレリオに親近感を持つ様になる。
デート?する事になり観覧車でのキスのシーンは良かった。
束の間の淡い初恋だったがアンドレア君は演技とは思えない程の素晴らしい演技を見せてくれた。
喜びはにかむ笑顔や時折ラリーサに送る熱い視線、恋に破れて次々に涙が溢れて泣くシーンでは観ていた私もぐっと来て何度も涙を誘われた。
今作ではDV被害者である妻の立場だけでなくその子供の立場や気持ちに沿っていて加えてそれに関わる友達のカリーナ(ヴァレリア・ゴリノだった!若い頃よく映画に出ていて可愛らしい容姿は歳を取ってもあまり変わってなくてあのハスキーボイスは健在!)だったり暗い過去があるビストロのオーナーだったり登場人物達がとても良かった。
中でもヴァレリオとオーナーとの関わりがとても良かった。
男の子にはやはり父親が必要なんだな。
残念だけど母親が頑張ってもかなわないなぁなんて思っちゃって二人の自転車を直すシーンやサッカーをするシーンや手紙を書いたら?とアドバイスするシーンだったりこれからもヴァレリオの成長に関わって欲しいなぁって思った。

別居だったり離婚だったり子供がいたら簡単には踏み切れないとは思う。
女一人で子供を抱えて生きる大変さや孤独感を十分に見せつけられ生きるのに一生懸命でともすれば子供の事を見失ってしまう。
時には遅くまで仕事をして頑張っているアンナにとても共感してしまい私も娘を見失ってないかちょっと自分に当てはめて考えてしまった。

そこからのラストはアンナとヴァレリオの再出発が前途洋々なスタートを切ったと描かれていてありがちだけれど二人にエールを送りつつそこに流れる〝This Is My Life〟がぴったりで涙が溢れて止まらなかった。
こうでなきゃと言う思い通りのラストに観て良かったと思った。
二人を見守る周りの人達の暖かい関わりにまだまだ世の中捨てたもんじゃないなと観終わってじーんと来て心が温かくなった。
素敵な映画だった。
私も再生しないとなぁ。
転んでも人生やり直せる。
今の自分に沁みる映画だった。

このレビューはネタバレを含みます

少年の繊細な心が感じる寂しさや孤独感が丁寧に描かれていて良かった。少年ヴァレリオは美男子で、その美しい瞳に湛えている感情を読み取ろうと目が離せず、見惚れてしまった。ちょっと三枚目な笑顔も少年ぽくて印象に残った。
一方で、クライマックスに持っていく展開がやや大味な上あまり印象に残らなかったのが残念だったと思う。挿入歌もいまいち合ってなかったような。ラストシーンは最初のシーンと同じもの、この子が当たり前のように持っていたけど無くしてしまったもので、映画を見ている間、この子に再び起こって欲しいと思っていた事が実現したので、すっきりと見終わることができて良かった。
nonchan

nonchanの感想・評価

3.5
ヴァレリオ役のアンドレア・ピットリーノ君がとにかく良かった。
13歳という多感な時期に住み慣れたローマから新しい街トリノに移り住む〜新しい環境への戸惑いからなかなか馴染めないでいるヴァレリオが、自分の居場所を探すように自転車で駆け巡る姿が切なかった😢
娼婦への淡い恋心を持て余し、どうしようもない歯がゆさから母への反抗。
しかし母の親友カルラや近所のビストロオーナーのマチューとの関わりから少しづつ心を開いて行く様は、年相応で微笑ましい。
若干唐突なシーンが入って??な感じだったけど、新しい街で漸く人生の再スタートを切れた母子に心が暖かくなりました。
小一郎

小一郎の感想・評価

3.6
退屈そうな映画だと思ったのでスルーするつもりだったけれど、「午前十時の映画祭」と岩波ホールでかかる映画はやっぱり見ようと思い直し鑑賞。

夫の家庭内暴力から逃れるため12歳の息子バレリオと2人、ローマから親友の住むトリノへ移り住むアンナ。見知らぬ土地で不安や辛いこともアリながらも、一生懸命頑張っていれば道は開けていく、と。

トラブルがあったり、感情が高ぶったりする時もあるけれど、それ程劇的ではなく、ギリギリ日常の範囲内という感じ。すれ違う親子関係の結末もあっさりめ。物語のメッセージはというと、人生はやり直すことができる、人生は素晴らしい、ということのようだ。

男尊女卑で知られるイタリアの映画であることに点に着目すると、自立する女性像という、イタリア女性の願望や憧れを描いたのかもしれない。

彼の国では女性は男性と肩を並べて働く存在ではないという価値観で仕事に就くのが難しいらしいけれど、そんな中でも決してめげることなく、清掃員として夜遅くまで働くアンナ。

不安と寂しさから、理不尽な境遇に追いやったアンナを責めるバレリオだけれど、芯は優しく、アンナのことも理解している、とっても良い子で、おまけにイケメン。

舞台のトリノの街は、何気ない日常の風景すら芸術的。こんな美しいところで、男に頼らず、親友や良い息子に囲まれつつ健気に頑張るアンナの姿を見て、イタリア女性は「こんな生き方もいいかも」と思うのかもしれない。

一方、元男の子であるオジサン的には、バレリオの立場だったとしたら、彼のように母親を受け止められるかわからない。そもそもバレリオを支えてくれたのはビストロオーナーのオジサンで、「お母さん、何もしてくれなかったじゃない」と思っても不思議はない気がする。

もっとも、本作は女性の願望を描いた物語というのが私の見方なので、母にとっての理想の息子像を描いたのかもしれない。ということで、イタリアの女性が癒される映画なのかな。日本の女性にはどう見えるのだろう?

●物語(50%×3.0):1.50
・基本は良い話だけれど、劇的な要素がほとんどないストーリー。

●演技、演出(30%×3.5):1.05
・イケメンの息子が結構頑張っていた。大女優らしいお母さんは意志の強さが良く出ていた感じ。

●画、音、音楽(20%×5.0):1.00
・映像、音楽、あまり覚えていない系の自分でもこれは美しいと記憶に残るトリノの街の風景。
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