エリオット

デトロイトのエリオットのレビュー・感想・評価

デトロイト(2017年製作の映画)
4.2
序盤、まるで「警察24時」かのように無許可営業の酒場を手入れする警官たちが手持ちカメラでぶれる画面に映し出され、その後もしばらく誰が主人公か分からないままいわゆるドキュメンタリータッチで暴動の様子が流れる…
ある略奪犯(黒人)を見つけ警官が追う、犯人が逃げる、警官が背中から撃つ、倒れる、警官に悪びれる様子はない…
モータウンレコードに売り込み中のコーラスグループが登場するあたりからやっと物語が動き始めるが、そこから本格的な地獄がスタートする…
容赦ない描写の連続に顔を背けたくなるが画面から目を離すことはできず、身体は座席に縛り付けられたように強張っていく。

違法酒場の裏口の鍵が開かなったことがきっかけで、店の表から連行される同胞を目にした黒人たちによる大暴動が発生し、競技スタート用ピストルをふざけて鳴らしたことがきっかけで、市警の警官によるあり得ない行為が始まる…
そんな小さなきっかけが大事(おおごと)を招くことが現在のわれわれの日常にも転がってそうで…怖い。

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