映画観るマシーン

デトロイトの映画観るマシーンのレビュー・感想・評価

デトロイト(2017年製作の映画)
4.1
実際にあったアルジェモーテル事件を題材にとり黒人差別問題に積極的に切り込んだ骨太社会派ドラマ
舞台はデトロイト、正義と秩序が崩壊し、もはや戦場と呼ぶに過言ではない
白人による弾圧に対して俄に発生した黒人暴動は主人公たちにとって取り返しのつかない"戦慄の一夜"へと突き進んでいく
差別・暴力を受ける者、与える者、非難する者、黙認する者、それぞれの視点に触れているため中立的と言えなくもないが、どちらかと言うと被差別者たちに寄り添った内容だったような気もする
"戦慄の一夜"尋問シーンは緊張感たっぷりで息をするのも忘れるほど
聖歌隊のラストシーンは虐げられてきた者たちの嘆きと祈りだろうか

僅か50年ほど前の話
古来より差別を繰り返してきた人類がたかが50年そこらで変われるはずが無いのである、だからと言って変わる努力が無駄だという訳では無い
我々はこれからも引き続き差別問題と向き合っていかねばならないのだ