延々と歩く

マイヤーウィッツ家の人々(改訂版)の延々と歩くのレビュー・感想・評価

3.6
 芸術家の父と彼にふり回されっぱなしの子供たち(成人してるけど)が織り成すネトフリ製コメディドラマ。

 ノア・バームバックの監督作としては世評の高い2年後の「マリッジ・ストーリー」より本作の方が好きでした。三人兄妹が成功してたりしてなかったり、三者三様のいまいち冴えない姿が染みてきやがる。
 まあ「マリッジ…」は離婚ネタなのでアラフォーバキバキDTとしては共感しにくかったし、コメディ部分をモノホンの喜劇スター(アダム・サンドラーとベン・スティラー)に任せているのも安心である。シリアスな演技も感心するほどうまい。

 別に長いって事でもないのだが、ほぼ2時間のランタイムが90分くらいだったらもっと良かったかな?冒頭とラストのアダム・サンドラーの件とか、脚本は精密だし狙いも分からんじゃないけど細かすぎというか。

 まあこういうベルイマン→ウディ・アレン経由で完成した「家族の中だけで展開する人間ドラマ」が根っこのとこでそんな好きじゃない、というのは個人的嗜好としてみるたび感じちゃうビクンビクンってだけなんだけど。

 アダム・サンドラーを中心に顔なじみのコメディアンたちと演技派大スターをむかえた安っぽいが軽く見れるコメディ(布陣だけなら本作とまったく一緒やが)で同じお話を押し切ってくれた方が好きなんだよなー。まあ好きとか言いながらあの手の映画全部は押さえてないし、よく見るとそんな短く収まってもないが。
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