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恐竜ガーティのaymのレビュー・感想・評価

恐竜ガーティ(1914年製作の映画)
4.8
1914年に制作されたウィンザー・マッケイの『恐竜ガーティ』は、ウォルト・ディズニーにも影響を与えたアニメーションの先駆け的作品である。実写のシーンからはじまり、絵のなかに描かれたメスの恐竜「ガーティ」が動き出すというシンプルなストーリーでありながら、メタ的な構成なのが印象的だ。
この作品は特殊撮影のひとつだった「コマ撮り」を用いて制作されている。当時流行していた、舞台上で絵を描きながら話す演芸「ライトニング・スケッチ」風な見せ方をしつつ、実際には大量の絵をパラパラ漫画のように繋げてアニメーションとして仕上げている。約100年前とは思えないほど恐竜「ガーティ」が生き生きと動き回るのがとにかく面白い。ガーティが遠くから歩いてくるシーンでは平面の線画であることを忘れるような奥行きさえ感じた。喜怒哀楽の表情は愛らしく、仕草が犬や猫に似ているためかとても優しい気持ちになった。
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