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くもとちゅうりっぷのaymのレビュー・感想・評価

くもとちゅうりっぷ(1943年製作の映画)
4.8
1943年制作『くもとちゅうりっぷ』の制作者政岡憲三は、後に東映動画やスタジオジブリにつながる流れをつくった「日本のアニメーションの父」と呼ばれた人である。
この作品には歌と台詞があり、ミュージカル的な構成になっているのが特徴的だ。てんとう虫の女の子の歌う童歌のようなメロディには日本風の和の雰囲気が感じられ、蜘蛛男の動きや表情には西洋的なディズニー作品の影響が見受けられる。また、自然の壮大さを描いている点もディズニー作品『シリー・シンフォニー』と共通している。
蜘蛛男が大雨に飲み込まれてしまったシーンには息を呑んだ。その後のキラキラした雨上がりの描写に魅了された。戦前の日本の作品なので白黒アニメーションだが、現代の技術で着色しリバイバルしたものを見てみたいと思った。
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