クリーム

きっと、いい日が待っているのクリームのレビュー・感想・評価

4.0
実話ベースでキツいお話。過酷な状況下でも諦めない子供達を応援しながら観ていました。児童施設の校長、職員による虐待と言う痛ましい内容なので、観る人を選びますが、良い映画だと思います。

1967年、コペンハーゲンにある児童施設に母が病気でやむを得ず入所した13歳のエリックと10歳のエルマー兄弟。そこは校長や教師が鬼畜揃い。子供達への体罰や強制労働、性的虐待をする教師までいた。劣悪な環境下で、エリックとエルマーは、次第に施設の仲間に溶け込み、出ていく機会を待ち続けるのだが…。



ネタバレ↓



入って直ぐに校長や教師、仲間からも殴られ、洗礼を受けます。2人は直ぐに逃げ出すも連れ戻され、再び暴行されます。エルマーは足が悪いにも関わらず皆と同様に肉体労働をさせられます。ある日、ハマーショイ先生がエルマーの文才に気付き、郵便係になります。ところがアクセルと言う変態教師に夜中に連れ出され性的被害を受けが、兄への被害を恐れ沈黙します。
エリックは電動機械に小細工して、アクセルの左手を負傷させました。これで性的虐待は無くなると喜んでいたら、叔父から母親が死んだという知らせが入った。ショックを受けて泣く2人を校長は、煩いと殴ります。
2人は、叔父にお願いして脱走を試みますが、失敗してボコボコにされます。ハマーショイ先生は、結果的に2人を裏切った事やエルマーを叩いてしまった事で、施設を去ります。
ある日、児童施設へ予告なしに検査官が来訪し、疑いを抱きますが、子供達から話が聞けず諦めて帰りました。
エリックは、もうじき15歳となり弟を連れて、解放されると思っていましたが、永久証明書を渡す年齢を18歳に引き上げると言う校長に約束を破られたと怒り、彼の愛車に傷をつけます。瀕死状態まで殴られたエリックは、意識不明に。このままでは危険な状態なのに校長は隠蔽の為、病院へ行かせません。
エルマーは、郵便局を見に行くと嘘をつきハマーショイ先生の元へ行き一緒に先日の捜査官の元へ。しかし合えませんでした。後は、ハマーショイ先生に任せて施設に戻り、わざと暴れ、暴力を受けます。そして、鉄塔の上から夢に見た宇宙飛行士になって空を飛びます。と言うか、落下して骨折。そこへ検査官とハマーショイ先生が施設に到着して、エルマーの暴力を受けた姿を確認し、エリックとエルマーは、無事入院。退院したエルマーがエリックと2人分の永久証明書を校長から貰います。児童施設の調査が再度行われ、他の子供達からも虐待の告発があり、全員施設から解散されました。

校長役はマッツの兄なのですが、それはそれは最低な役で、もう好きになれない気がします。
大人の出世やお金の為、犠牲となった子供達。虐待を受け、栄養も足りず、働かされ、安全に暮らすには幽霊になるしかないと子供が悟るなんて悲し過ぎます。エリックとエルマー兄弟の強さが、結果的に沢山の子供達を救ったお話です。諦めなければ、きっといい日は待っている。素敵なお話だと思いました。
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