ふじこ

シェイプ・オブ・ウォーターのふじこのネタバレレビュー・内容・結末

1.9

このレビューはネタバレを含みます

これは…愛の話なのかな…。なんだかそこに自信が持てないし、この物語自体が主人公イライザの自慰であるように感じる。

謎の研究機関で清掃の仕事をしているイライザは唖者。
隣人のジャイルズのお世話をしたり、同僚のゼルダも手話が分かるので良くしてくれている。
ある日研究機関に水を注水されたタンクが届き、新たな研究材料として実験が行われる事になる。
清掃のため部屋に出入りするイライザは、その研究対象がアマゾンで捕らえられた魚人である事を知り、言葉を理解するのか、コミュニケーションは取れるのかも不明なその生き物と人目を盗んで交流していく…ってお話。

ファンタジー感や映像の綺麗さは同監督のパンズ・ラビリンス同様良かった。特に冒頭の水に満たされた部屋の様子や、後半の浴室に水を貯めるシーンは良く出来てるなぁ~って思った。

でもなあ。手話を理解してくれる友人が二人もいるのに、毎日毎日お風呂で自慰に励んで、自分は世界に認められていないと思っていて、悲劇のヒロインだと思っているのかな。そして性愛を含んだ求められ方をしたいと思っているのかな。
それはそれで自由だし良いんだけど、イライザの感じているらしき孤独や世界への絶望みたいなものが、全く未知の生物である魚人に全振り出来るものなんだろうかと考えるとどうにも。

確かに勝手に捕らえられてきて実験のために生体解剖するって流れは本当に可哀想だし、助けられるなら助けたい。
ただ、魚人の考えてる事は最後までふんわり以下しか分からないし、声帯に傷を負って喋れないながらもイライザは雄弁に自分の気持ちを語りまくっている。どこを取って孤独と呼ぶのか、まぁ感じ方は人それぞれなんだけども、老齢でゲイのジャイルズの方が…って気がどうしてもしちゃう。仕事も上手く行ってないし、イライザ以外の友人もいなさそうだけれど…。

なんだろうなぁ、陸の上の人間世界では児童に等しい魚人を己の隙間を埋めるために(性的にも)利用した、児童ポルノめいた感じがしなくもなくて、だから正直うわぁ気持ちわるいなぁ~って思ってた。
ふじこ

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