ゆずきよ

悪と仮面のルールのゆずきよのレビュー・感想・評価

悪と仮面のルール(2017年製作の映画)
1.5
タイトルとポスタービジュアルで惹かれました。
原作小説も気になっていましたがまたまた未読。最近本当に本読めてないなぁ。

物語は、悪となるべく作られた少年が数年後に顔を変え玉木宏となって初恋の相手である新木優子を守るというお話。
幼少期と現在の映像が交互に差し込まれていく作り。
時折差し込まれる幼少期の映像で胸くそな予感がしてしまいます。
ただ思っていた内容とは違い、顔を変えながら殺人を繰り返すのかと思いきや玉木宏は玉木宏のままでした。
初恋相手を守ると言ってもやっている事はほとんどストーキングと同じ。
ストーカーがストーカーをストーカーして殺したら自分もストーカーされていたみたいな展開が続きます。
台詞回しが独特で掛け合いが不自然に感じてしまうほど。
雰囲気と世界観だけの舞台を観ている様な気分になりました。
めちゃくちゃ美味しそうな店構えとメニュー写真で期待していたら、出てきた料理は全然違うじゃん!という感じ。だからって店員さんに文句は言えないしね。
折角大きな海老の天ぷらなのに食べても食べても海老に辿り着けないのよ。
物語の核の一つでもある顔を変える事にしても関係者には正体がモロバレな上についに自分からもカミングアウトしてしまう玉木宏。
物語は終盤へと差し掛かるもその勢いは衰えず起承転結の承をずっと見せられている気分でした。
とくにこれと言った山場も無くラストの掛け合いもツッコミ所は満載でしたが流石にネタバレになるので詳細は辞めときます。
例えるなら回転寿司をお腹いっぱい食べた後にやっぱり寿司はカウンターで下駄に乗っていないと認めないって言っているみたいなもんだと思うの。

面白そうな雰囲気は終始漂っていたし玉木宏と新木優子の関係性も悪くありませんでした。
ただ要素が多かったのとそれがあんまり整理されていなかった事、唐突に登場する人物達に深みが感じられなかった事が、私がこの物語へ入り込め無かった要因かと。
Uruの歌う主題歌が良かっただけに残念。
主題歌の尺で本編映像を編集した方が感動的な作りになったのでは?とさえ思ったほどでした。
良かったのは内容はともかく過去回想の差し込み方と殺人や生きる事のあり方を問うメッセージ性ですかね。
どのくらい先の順番待ちになるのかわかりませんが原作を読むリストに加えておきます。
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