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ライオン・キングのクロフネのレビュー・感想・評価

ライオン・キング(2019年製作の映画)
3.0
 自称”超実写化”と言われているが、確かにそう思わせるぐらいのクオリティの高いCGだった。
そして、アニメ版の『ライオン・キング』とほとんど変わらない話であったことや、監督がこちらもCGが高く評価された実写版『ジャングル・ブック』のジョン・ファブローであることから、CGを一番のセールスにした作品であることは間違いないと思う。

 また、声優陣は良かった。主要キャストにはドナルド・グローヴァーやビヨンセなどの一流アーティスト、また悪役のスカーにはアニメ版でも同薬を担当したジェームズ・アール・ジョーンズが続投してくれたのは素晴らしかった。

 しかし、実写にしたことによってアニメ版の魅力だった点が損なわれてしまったと感じた。
まず、動物たちの表情だ。アニメでは動物たちの顔をまるで人の様にして感情豊かな表情ができていたが、リアルな動物にしたために喜怒哀楽は声色ぐらいでしか表現できていないでいる。
同様にミュージカルシーンでも口の動きはあくまでもリアルな動物の口なので、物凄く変なことになってしまっている。
 また、実写化により弱肉強食のアフリカでリアルなシマウマやヌーなどの草食動物が肉食動物のライオンに頭を下げる不可思議さがより際立ってしまっていた。
 
『ジャングル・ブック』ではジャングルの暴力性などを主人公である人間の異物視点から描かれているので、リアルでも違和感が少なく感じていた分、やはり本作はかなり不思議な映画であった。
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