音楽そのものが素晴らしい。クイーンを知らなくてもこれもあれも足を刻みたくなる。
メンバーのブライアン・メイとロジャー・テイラーが製作に関わっているみたいなので、かなり忠実。『ボヘミアン・ラプソディ』の多重録音シーンは、一緒にスタジオにいるような楽しさ。
何よりこの映画(実話)は、恋愛に不器用な青年の物語だということ。フレディは結婚後にゲイだと気づき最大の理解者と別れ、独占欲の強い恋人にバンドからも切り離されてしまう。「金で幸せは買えないけど与えることはできる」とパーティに明け暮れても虚しさから逃れられない、成功者の孤独が胸を打つ。
この映画を観たら、このバンドと同時代に生まれたかったと思う。唯一無二のロックのレガシーを受け取りたい。